スキップしてメイン コンテンツに移動

2024年10月キックオフイベントレポート④ こぎょぎょぎょぎょぎょ!立命館テロワールで​​琵琶湖の湖魚の魅力を知り、湖魚を味わう ―地域が育む味わい

報告者:鎌部真奈、熊谷怜吾、斉藤愛、清水奏、張天愛、中薗千尋、成瀬加奈子、山﨑陽生 

 

2024年10月23日に立命館大学のエポック立命21の食堂で立命館テロワールが開催された。本レポートでは、三浦さんからお話しを伺った湖魚について述べていく。また、実際に湖魚を食べてみて感じたことも並べて記述することとする。 

 
 
1. そもそもテロワールとは? 

テロワール(terroir)とは、もともとは「土地」を意味するフランス語「terre」から派生した言葉で、ワイン、コーヒー、茶などの品種における、生育地の地理、地勢、気候による特徴を指す語である。また、フランスのワイン醸造学者で味覚研究所創設者のジャック・ピュイゼは「テロワールとは、言い換えると、空気と土地の関係から生まれる、食べもの、飲み物が生産された環境を象徴する感覚的なものである。そして、空気と土地の関係には、その土地で働く人間が大きく寄与している。」と述べている。 

2. 湖魚の収穫量 

年々湖魚の漁獲量は減ってきている。その原因には、漁師の高齢化や、後継者不足が挙げられる。漁師業界は全体的に高齢な業界で、若手筆頭と呼ばれているような方々であっても、40歳代であるような業界だそうだ。後継者不足にも悩まされ、年齢層の高い業界になってしまっている。また、琵琶湖の環境の変化も漁獲量の低下に繋がっている。琵琶湖の貝類はシジミが有名で、主に砂地で収穫することが出来るのだが、環境汚染の影響で砂地がヘドロ化してしまい、収穫できなくなってしまった。琵琶湖の環境整備によって、人々に届く水は綺麗になったが、琵琶湖の水は真水化し、琵琶湖に住む魚たちにとっては住みづらい環境になってしまっている。さらに外来魚の影響など、さまざまな要因が重なって湖魚の収穫量は少なくなっている。 

3. 湖魚の流通 

琵琶湖の湖魚の場合、高級割烹店で主に需要がある。琵琶湖の湖魚はとても美味である代わりに下処理に手間がかかり、下処理を丁寧に行えないような飲食店では販売することができないからである。天然産の小鮎はほとんど流通しておらず、ほとんどが養殖である。また、天然の小鮎がいないことによってそれらを餌にしているビワマスの数も減ってしまっている。

4. 湖魚の魅力

京都の高級店で需要が高い小鮎やモロコのような小さい湖魚は淡白であっさりとした味わいが特徴である。立命館テロワールでは、ピザ、ピルピル、ワカサギの天ぷらを食べた。特に天ぷらが美味しかった。サクサクとした衣と、控えめに味付けされた塩味は、ワカサギのポテンシャルを最大限引き出し、食べる手が止まらなかった。ピザはトマトのうま味とワカサギの相性が良く、普段食べるピザとは違う格別な美味しさがあった。ピルピルは、オリーブオイルと白ワインを1:1の割合で合わせたものを、ニンニクなどの香料とともに火をかけることで完成する。ピルピルは、ニンニクとオリーブオイルの香りが、モロコのうま味を際立たせ、非常に味わい深いものであった。少し骨が引っかかるところもあったので、気になる方は、骨を除いて食べるのも良いだろう。


左がワカサギ、右がモロコ

ワカサギ ピザ窯焼


モロコのピルピル

ワカサギを使ったピザ


ワカサギの天ぷら


感想

本企画を経て、琵琶湖に住む魚の魅力について知ることが出来た。漁師という後継者不足で、漁獲量に苦しめられている中、美味しい魚を振る舞ってくださった三浦さんにはこの記事で改めてお礼を申し上げたい。本当にありがとうございました。様々な調理方法は琵琶湖の魚の美味しさを引き出し、私たちに新たな体験をもたらした。

終わりに 

株式会社マリングレイスさんは、夏場以外の毎月第三土曜日に大津市場で朝市を開催されている。時間帯は朝8時から11時頃である。そこでは、マグロの解体ショーなどもされているので、興味のある方は是非顔を出してみて欲しい。湖魚の魅力についてもっともっと知ることができるだろう。